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ロリン・マゼールのこと

マゼールとウィーンフィル

マーラーを聴き始めた頃、マゼールはウィーンフィルのマーラー全集の録音が進行中、だったかどうか知らないが、SONYレーベルの《復活》CD(2枚組)を購入した。5000円くらいしたような気がする。それが最初の《復活》だったかどうか覚えていない。小澤征爾&ボストン交響楽団のが最初だったかもしれない。いずれにしても、マーラーの《復活》はCD1枚に収録しきれないうえに、マーラーの指示では1楽章と2楽章の間に休憩を入れるはずなのに、CDの収録は、当然ながら1枚にできるだけ詰め込んでいるので1楽章と2楽章は連続しており、続けて聴きたい楽章の間にCDを入れ替えなければならなかったことを覚えている。

その当時は、マーラーを聞くのも初心者だったが、ドイツグラムフォンや英デッカで聴くウィーンフィルとSONYで聴くウィーンフィルの音の違いに驚いたような記憶がある。それ以前に、バースタイン指揮のニューヨークフィルが鉄弦のような冷たい響きという印象をもっていたが、ウィーンフィルも同じような音に聴こえてきて、録音技術の違いでこんなにも個性が変わるのかと思った。

しかし、それでもマーラーの演奏はすばらしく、マゼール&ウィーンフィルの《復活》は、私のなかでのリファレンス盤となるほどに愛聴した。

マゼールという名前の響きから、なんとくフランス人だという印象をもっていた。オペラ映画《カルメン》は、フランス語のオペラだが、その演奏がマゼール指揮フランス国立管弦楽団だったのもその印象を強くしていた。根拠のない推測だった。Wikiをみると、フランス生まれだが、生後すぐにアメリカに移住したアメリカ人で、アメリカ(ピッツバーグ)で若くして大成した人だった。

いつしか、クラシック音楽界からマゼールの名が聞こえなくなっていったが、マーラー全集を収録中のときでもウィーンフィルとの仲が悪くなっていったという記事をどこかで読んだ記憶がある。

なぜ仲がわるくなったのだろう。きっと、天才肌のマゼールが強引な運営をしたのだろう。

《指環》とマゼール

先日、帰宅時に同僚を駅まで送っていった際に、《ニーベルングの指環》を全曲聴き通すという試みはどうなったのかと訪ねられた。ベーム指揮バイロイト祝祭の《指環》のBOXを廉価で入手して、はじめての《指環》全曲に挑戦したのは、いつの頃だったのだろう。全曲通すと15時間。iTunesでCDをリッピングして、iPhoneを車載して通勤時に聴くという試みだった。あらすじを読んで、日本語の曲名と照らし合わしながら、どの部分を歌っているのかを確かめながら聴いていた。有名な部分はYoutubeで場面を確認もした。しかしだんだん面倒くさくなったので、ほぼ車のなかでかけっぱなしだった。しかしまあ、なんとか全曲聴いてみると、不思議なもので、なんとなく《指環》を制覇したような気分になった。

そんな折りに、ルチア・ポップがショルティ指揮の《指環》に参加してたことを知る。《神々の黄昏》のライン河の乙女のひとりヴォークリンデ。さっそく取り寄せて聞いてみると、ポップの声が美しく、惚れ惚れとする。

そして後日、ポップは同じヴォークリンデ役でヤノフスキの《指環》にも参加していたのだが、それがBOXで廉価販売された。これはもう買うしかない。ショルティ盤にはなかった《ラインの黄金》の冒頭からポップの声。この時点で《指環》はポップの声を聞く楽曲のひとつとなって、《ラインの黄金》の冒頭と《神々の黄昏》の第3幕を聴くだけになっていった。

それで全曲制覇はどうなったかという質問があったので、改めて全曲を聴き直してみた。しかもYoutubeを活用すると動画を鑑賞できるのだ。

検索しているうちに見つけたのが、マゼールの「言葉のない《指環》」。実は、HMVオンラインストアでDVDを見つけてて気になっていた。《指環》を順番に聴いていくと、まあその楽曲の長いこと。マゼールはその管弦楽の部分を抜粋して繋ぎ、1時間強の「《指環》管弦楽版」としてまとめたそうだ。DVDは安価(1000円程度)だったので、さっさと買えばよいのに、内容が分らず、ずっと躊躇していた。そのサンプルがYoutubeにあったというわけだ。

《ラインの黄金》の前奏曲が終わったあとにヴォークリンデの声がないのが寂しいが、歌手のいない《指環》の音楽が続いていき終曲となる。歌手の部分を別の楽器に仕立てて演奏しているわけでなく、あくまでも管弦楽で繋いでいくのだが、それがとても良い。有名な曲だけを集めた管弦楽曲集だと、曲間が途切れ途切れになるが、ほぼ連続して74分間響きわたる(お、CD1枚に収まる限界の尺ではないか)。

ワルキューレの騎行やジークフリートの葬送行進曲など抑えどころがあるので、全曲にわたってよく知っていないくても、物語の進行も理解でき、あっと言う間に1時間がすぎていく。これは、さっそくBDを発注した。

よく見ると、DVDはベルリンフィル(1998年)なのに、Youtubeのはウィーンフィル(2009年のライブ)となっている。別物だった。

え、マゼールはウィーンフィルと演奏会しているの? 仲が悪かったのではないの?

と思って調べてみると、昨年夏のサマーコンサートもマゼールの指揮だった。

マゼール、がんばれ。